ライカM10で撮る VERA WANG(ヴェラウォン)を纏った花嫁

今回の事例紹介は、ライカのM10を用いた神戸でのウェディングの前撮り撮影になります。

前撮りというのは、結婚式の当日、式の進行などでバタバタするので
事前に当日と同じ装いをして、ご夫妻の為だけにじっくり時間を取って撮影するシステムです。
七五三や成人式などでも当日式に集中できるように、
また混雑する時期を避けるとの意味合いで前撮りをすることが
最近では一般的になっています。

今回の結婚式の前撮りに関しては、事務所の方へ直接ご連絡を頂き
お電話やメールなどを通じて、事前にご夫妻と何度も打ち合わせを重ねて
ロケ地の選定や仕上がりのイメージの摺合せを行ってきました。

マッチングサイトや派遣サイトでカメラマンを選ばれる方も増えてきましたが、
一生残るであろう撮影なら、まずはカメラマンと直接連絡をとるのが
ベストな選択だと思います。お電話や直接お会いして打合せすることで、
作品の出来上がりがより素晴らしいものになってきます。

ご夫妻はよくあるウェディングの前撮りの写真とは違って、
自然な雰囲気で自分達らしさを描いた写真を撮って欲しいとのご希望でした。

確かに、最近の前撮りの作例などを色々見ていると
演出が過ぎるようなものも多数見られ、後々見返すと
恥ずかしい・・・と感じる方も少なくないのかもしれません。
ご夫妻の要望はよくわかりますし、私自身も前撮りだからといって
普段の自分達とはかけ離れたイメージで写真を撮るのも
多少の抵抗を感じます。

事前のお打ち合わせで、それほど枚数も必要ないとお伺いしていましたので、
今回は機材をライカM10とズミルックスの組み合わせをチョイスしました。

また、花嫁様が着用されているウェディングドレスが
ヴェラウォンのドレスを着用されるとのことで・・・

ヴェラウォンというのは、
マライヤ・キャリー、ジェニファー・ロペス、アヴリル・ラヴィーンなど
海外のセレブが着用したドレスブランドなのだそうです。

日本では、梨花さん、田丸麻紀さん
ドラマで石原さとみさん(失恋ショコラティエ)が着用されたようです。

ウェディングドレスも色々撮影しておりますが、なかなか写真のように
デザイン性が高く、かつボリュームがあって繊細なドレープと柔らかな生地感は
あまり見かけることがありません。このドレスのよさを表現するためにも、
ライカM10とズミルックスはベストな組み合わせだと思います。

時間にゆとりがある前撮りといえど、撮影する立場からいうと
ライカでの撮影というのはピント合わせが
シビアなのでとても気を使いました。

しかしながら、出来上がりの写真はやはり素晴らしく
納品時にK様にご確認頂きましたが、とても気に入って下さいました。
さらに、10年後、20年後に見返しても変な気恥しさを感じることもないだろうし、
いつも通りの自分達を上手く撮ってもらったとおっしゃって頂きました。

特にお気に入りの写真を全紙でオーダーされ、
飾りやすい木製パネル加工にて納品させていただきました。

やはり特別な写真は大きく伸ばして飾られるのが、
服部写真事務所としてはおススメしております。

撮影料金2.0時間(打ち合わせ・写真編集含む) 55,000円
出張料金(高速代別途) 20,000円
全紙プリント代金、 木製パネル加工 22,000円
合計費用(消費税8%) 104,760円

K様、大切なウェディングの前撮りを服部写真事務所に
お任せ頂いてありがとうございました!

ライカで撮影する意味

こちらのページを見て、お問合せ頂くことが何度かありました。
「ライカで撮影すると何が違うのですか?」

スマホを通じてWEBで写真を見ている分には、
キヤノンのカメラで撮影したものとライカのカメラで撮影した
ものと、一見するとそう大差を感じないかもしれませんね。

しかしながら、納品させていただいてから、
お客様の手元でじっくり写真を閲覧なさったり
四つ切以上の大きさにプリントさせていただくと
段々とその良さを感じて頂けることが多いです。

見返す度になんとなくいいなぁ・・・と、
本能的に感じられる方が多いのでしょうね。

線が細く解像感もあるのですが、全体の雰囲気がフワっとしていて
デジタルではあるもののアナログ的な「情緒」を感じることができます。
ボケ具合が実にいいのです。

また、付加価値が高い物で撮影してもらった!という、
満足感もライカで撮影するメリットになるかもしれません。

ライカはボディやレンズが工芸品に近いものがあります。
レンズの製造などは手作業を占める割合が多く手間と時間がかかっています。
カメラ本体やレンズの値段も非常に高価で1台のカメラや1本のレンズが
それぞれ100万円を超えるものもあります。プロでない一般の方が趣味として所有するには
なかなか難しいものだと思われます。
そういったカメラで撮影するからこそ、価値があるのかもしれないです。

デメリット

ライカを使用するデメリットを敢えてあげますが、使えるシーンが限られてきます。
普段、当事務所ではキヤノンのカメラをメインに使っておりますが
オートフォーカスも優秀でオールマイティーに使用が可能です。

その点ライカの場合はマニュアルフォーカスですので、
ピント合わせは人力、繊細で時間がかかります。

例えば、挙式や披露宴のように場面展開が早い場面では
ピントが合わせられないので使うのをためらいます。
さらに、保存できるメディアが1スロットですので
万が一データが飛んでしまえば、バックアップがないので困ります。

キヤノンのカメラはメディアを2スロット利用して保存していますので、
仮に1つのスロットで不具合が生じても、
もう1つのスロットで保存してあるのでバックアップがきいています。

ですから、そういったリスクを事前にお客様にご理解いただいた上での撮影になります。

今回のK様ご夫妻におかれましては、前撮りで時間が十分にあったこと、
そしてプリントをメインにしてのご納品なので枚数が少なくても問題がないこと、
写真のバックアップを撮影時間中に頻繁に行っていたこと。

以上から思い切ってライカを使って写真を撮影しよう、というご提案ができました。
結局のところ、撮る方と撮られる方の間である程度の信頼関係がないと叶わない撮影なのです。

デメリットを理解したうえで、ライカを使って撮影してください!
というご要望であれば、ライカで撮影しますのでご興味がある方はおっしゃって下さい。
本当に素晴らしいカメラなので、出来上がりの作品は気に入って頂けるはずです。